THE LAST LIVE(前編)

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10/12(月)、13(火)の2日間で行われた欅坂46「THE LAST LIVE」(配信ライブ)。その模様と感想を、前後編の約1,2000字レポートでお届けします。

12日(月)THE LAST LIVE 初日

18時から開場のため、配信サイト「Stagecrowd」にログイン。マフラータオルやペンライトの準備を整えて待ちます。開演15分前からシングル表題曲のインストver.(メドレー)にあわせて、過去のライブやMV撮影のオフショットなどがスライドショー形式で流れます。「こんなことあったなぁ」から、「この写真見たことないかも」というものまで多くありました。曲が最後の「黒い羊」になるにつれて、「いよいよ終わりの始まり、というかもう始まっちゃうのか」と焦るような感情も芽生えましたが、今更なにを言っても変わりません。なのでむしろ「欅坂46、かかってこい!」(元ネタ:有明ライブの平手)という気持ちで、沸き立つ心を整えました。

18:30を過ぎてライブ開始前定番の、テンションが徐々に爆上げされていくEDMが流れてきます。曲が終わりに近づくにつれ、会場、ではなく自分のボルテージがMAXまで引き上げられます。ステージとは反対側の場所に蔦の絡まった門があり、そこからステージに向けて丸い光の連鎖で作られた道を、メンバーたちが列になって歩いていきます。ステージに到着するとライブの開始、「00.Overture」が流れます。ここで特筆すべきは、メンバー紹介で出てくるアーティスト写真(アー写)が、初期から最新のものへとパラパラ漫画のように現れるという、5年間の歴史を感じさせる演出となっていることです。曲が終わる直前で、一列に並んでいたメンバーが1曲目に合わせて隊列を組みます。

「01.サイレントマジョリティー」(センター:小林由依)。デビュー曲を一体どこでやるのかは注目のひとつでしたが、1曲目に持ってきました。フロントは左から渡辺梨加、藤吉夏鈴、小林由依、森田ひかる、山﨑天となります。欅坂46の原点であり、この曲からすべてが始まりました。元々は21人だった1期生は、卒業・脱退で12人となりました。今回はそこに2期生9名が加わる形で、再び21人のフォーメーションでライブは進行されました。ラストライブで再び21人体制になったのも、なにか縁を感じずにはいられません(※サイマジョ発売当初は、長濱ねるを除く20人でパフォーマンス)。

今回の衣装は右から中心にかけてダークグリーン一色のロングコートに、左袖や首元が歴代MV衣装の色で染まったようなデザインになっています(年少組は右袖にもそのデザインがされていたと思います)。2日間セットリストの違うライブのリハーサルは相当ハードだったようで、守屋茜の右手首にはテーピングが巻かれていました。

「02.大人は信じてくれない」(センター:山﨑天)。無観客ライブなので、本来席が置かれているアリーナ部分もステージとして使用しています。この曲もアリーナの真ん中で披露されました。メンバーが一列になって踊る姿や、天ちゃんの「助けて」・田村保乃の「虚しい」のセリフ、最後倒れていくメンバーを引きずって進む天ちゃんの強い表情が印象的な曲でした。

ここで土生瑞穂(はぶちゃん)がスポットライトの当たったステージに一人で立ちます。背後のスクリーンには過去の映像が流れてきます。この演出は1期生を中心としたメンバーに対して、”欅坂46からの卒業式”(以後卒業式と表現)と呼べる演出になっています。BGMは「エキセントリック(ピアノver.)」。はぶちゃんは一番の高身長で元々モデルのような容姿(現JJ専属モデル)をしていましたが、控えめな性格であまり表に立たない子でした。でもそんな自分の殻を破り、本来の明るく天然な部分が花開きました。今ではモデルやラジオのMCをつとめる一方、パフォーマンスでもセンターを担うほどに成長した彼女のこれからは楽しみでしかありません。

映像が終わるとともにはぶちゃんはステージを降り、アリーナの真ん中にたどり着きます。他のメンバーも会場全体に広がって「03.エキセントリック」(センター:土生瑞穂)が始まります。この曲は会場の地面にプロジェクションマッピングを映し、歌唱するメンバーの下に歌詞が表示されるなど、2017年の全国ツアーで見せたようなスタイリッシュな演出が施されています。2番の「もう、そういうの勘弁してよ」と吐き捨てるように言う天ちゃんや、曲の最後でひとりだけ顔を上げてから下げるときの、はぶちゃんの無機質な目が印象に残っています。

天井から吊された赤く光る複数のライトが、メンバーの頭上で上下して、それがやがて白いフラッシュになって会場に伸びると、「04.語るなら未来を・・・」(センター:土生瑞穂)が始まります。はぶちゃんのセンター曲が続くことで彼女の魅力をグッと感じることができるし、最新メンバーでのカタミラを堪能することができます。「明かしても意味がない~」の、はぶちゃんのしなやかな踊りが好きです。

続いて渡邉理佐の卒業式。BGMは「避雷針(ピアノver.)」。人前で涙を見せるのが嫌だと、常に強い姿を見せてくれていた理佐。でも世界には愛しかないのMVで見せた、屋上での涙はとても美しかったと思います。表ではクールだと言われますが、non-no専属モデルや写真集の発売は誰よりも努力した証だと思います。キレイ好きで頼れる理佐姐さんの、これからの活躍に期待です。

理佐がステージ奥に四角く切り抜かれたような場所に入ると、「05.月曜日の朝、スカートを切られた」(センター:渡邉理佐)が始まります。そこでは「電車の車内」が表現されており、壁に沿って置かれた椅子に座る子、吊革につかまっているように腕を曲げて上げている子が混在しています。サイマジョの前日譚とも言われるこの曲は、世間の闇に疲弊した、まだ立ち上がる前の少女の歌です。それが曲が進むごとに感情を高ぶらせていき、ラスサビ前の理佐のセリフ「あんたは、私の何を知る?」が、とても鬼気迫るものとなっています。精一杯低くした声が、とてもドスがきいて迫力に圧倒されます。

続いて会場に、古い校舎に取り付けられたような鐘の音が鳴り響き、「06.Student Dance」が始まります。ライブでは定番となった、メンバーの持ったスマホ画面から見える景色を写す手法です。森田ひかるや佐藤詩織、田村保乃、山﨑天らがスマホを持って、そこで踊るメンバーを撮影したり、「邪魔だ」とばかりに手で遮られたりします。サビのところで関有美子、藤吉夏鈴、上村莉菜が机を囲んでる様子がアップで映るのですが、画面映えしすぎるほど可愛くて美しいです。そして一番の見所、ラスサビ前の間奏でのダンスですが、中心に森田ひかるが入り、小林由依・小池美波・齋藤冬優花に藤吉夏鈴が加わったダンス新四天王が形成されます。水柱が立ち上がる中、バチクソかっこいいダンスを披露してくれました。曲の最後にはスマホをお互い持った森田ひかると天ちゃんの顔がアップで映るのですが、すいません、こちらも可愛すぎます。

続いて上村莉菜(うえむー)の卒業式。BGMは「僕たちの戦争(ピアノver.)」。サイマジョ・世界には愛しかない・二人セゾンと3列目のポジションが続いたうえむーは当時の映像で「そんなに写したくない顔なのかな?」と涙しているシーンもありました(ソンナコトナイヨ案件!)。それでも「不協和音」でフロントのポジションを掴み、2019年の全国ツアーでも「君をもう探さない」でセンターをつとめたり、彼女もまた他のメンバーに漏れず成長を続けてきました。

そんなうえむーが参加したユニット曲「07.カレイドスコープ」が続きます。ここでラストアルバム「永遠より長い一瞬」収録の新曲を持ってきました。うえむーをはじめ原田葵・武元唯衣・藤吉夏鈴・井上梨名・森田ひかるの6人のユニットで、今までの雰囲気とはガラッと変わって可愛く笑顔で踊る曲です。手を広げて踊るる振り付けや、両手で万華鏡(カレイドスコープ)を表現する振り付けが良かったです。比較的小さいメンバーの中に、163cmの井上梨名と159.6cm(?)の藤吉夏鈴が混ざっているアンバランス感もなんか良かったです。

アリーナの真ん中に歩道橋がいつのまにか出来ていて、そこに小林由依(ゆいぽん)がギターを持って立っています。卒業した今泉佑唯とのユニット”ゆいちゃんず”の「08.渋谷川」。最初の部分は、肩にかけた赤いアコースティックギターを演奏しながら歌います。少しチューニングがずれたような部分もありましたが、そこは歌声でカバーして見事に歌い上げました。歩道橋の下にはプロジェクションマッピングで写された絵のタッチの川が流れていきます。曲が終わると深く、一礼しました。ゆいちゃんずの曲ともこれで決別でしょうか?櫻坂になってもぜひ歌ってもらいたいです。

続いて齋藤冬優花(ふーちゃん)の卒業式。BGMは「結局、じゃあねしか言えない(ピアノver.)」。先ほど月スカで使った箱のような場所で、上下左右と映像が映し出されます。ふーちゃんは常にグループを想い、ムードメーカーとしてダンス面でも引っ張ってくれた存在です。ファンに息の揃ったパフォーマンスを見せることを第一に考えてくれました。流れてくる映像に、ふーちゃんは思わず涙を流していました。

次は「09.I’m out」が始まります。その箱の中で歌うグループと外で歌うグループ、どちらも目の前を金網で覆われています。曲の後半、「噛んでたガムを、金網につけ、向こうの景色、見れなくしたよ」のセリフにあわせて表現する菅井友香(ゆっかー)が金網を蹴破り、メンバーたちが合流してステージに出てきてラスサビを踊ります。

そこからすぐに「10.Nobody」に入ります。Nobodyの文字や三角、菱形にかたどられた映像の中で踊ります。背景も真っ赤で、まさにMVの世界観を表したかのような演出となっています。ゆいぽんや佐藤詩織の妖艶に魅せる踊りが印象に残っています。

「11.東京タワーはどこから見える?」は、センターポジションに次々と色々なメンバーが入って踊る、個人的にも好きな曲のひとつです。東京タワーの映像を背景に踊ります。佐藤詩織(しーちゃん)のバレエ経験を生かした指先まで神経の通った見事なダンスと、守屋茜の手を欅ポーズにして左右に動かすセクシーな振り付けが印象深いです。

真っ暗な会場に雷鳴が轟き、「12.避雷針」(センター:渡邉理佐)が始まります。ラスサビの、センターを中心に三角形になって進んでくる振り付けが一番好きなのですが、そのほかにもセンター(今回は理佐)が待ち構えるメンバー(今回はゆっかー)に向かってダッシュするジャンピング抱っこや、「存在知られたくない、フェードアウトしたくなる」のしーちゃんの手をクネクネさせる踊りとクールな表情が好きです。しーちゃんは普段笑顔の印象が強い分、このクールな表情が映えます。

光が会場全体に直線や波打ち、交差、扇状に広がる演出があり、その後「13.不協和音」(センター:菅井友香)が始まります。2019年の東京ドーム公演で久しぶりに復活し、その年の紅白でも披露された魔曲とも称される曲。ゆっかーは2ndアニバーサリーライブ(アニラ)でも、センターでこの曲を披露しています。ちなみに衣装はここで、「不協和音」のMV衣装に変わっています。ゆっかーはキャプテンという立場ではありますが、番組やラジオで見せるおっちょこちょいな姿と上品で可愛いイメージが強いです。そんな彼女が豹変したように見せる、強い不協和音の”僕”は鬼気迫るものがあります。1番、そしてラスサビとボルテージが爆発する「僕は嫌だ!」は、見るものをおののかす気迫がありました。

アリーナに突如できた部屋の中にあるモニターがつき、渡辺梨加の初期の挨拶をしている姿が映し出されます(卒業式)。BGMは「青空が違う(ピアノver.)」。ゆっかーとともにグループの最年長である彼女は、みんなを引っ張っていくというタイプではありません。それでもハイレベルなビジュアルでモデル活動を行い、メンバーに可愛がられ、パンをこよなく愛している彼女はこのグループに不可欠なのです。バラエティで時折覚醒したり、演技には光るものがあるなど魅力はまだまだ潜んでいます。これからも変わらずマイペースで輝きを放ってほしいです。

映像を見ていたぺーちゃんの後ろにはいつの間にかメンバーが揃い、そこに置いてあるコップに入った牛乳をぺーちゃんが飲むと、「14.キミガイナイ」が始まります。衣装はグレーのフード付き半袖ロングコートに替わっています。会場に作られた狭い部屋の中でメンバーが歌唱します。部屋の中にはベッドが置いてあったり、真夜中を過ごすこの曲の世界観が表現されたようなセットになっていました。

部屋の外、会場全体にはプロジェクションマッピングで横断歩道や雨が表現され、歩道橋や工事現場のフェンス、踏切、信号のセットが設置されています。「15.君をもう探さない」(センター:上村莉菜)。歌詞の「怖い表情で」にあわせて、踏切でりっちゃんと対面しているペーちゃんが目を開いて普段見せないような怖い表情をしています。これは「エキセントリック」MVのパロディと思われますが、ぺーちゃんの演技力が光ります。できればお芝居をもっとやってほしいです。彼女もまた憑依型なのかもしれません。21人の他に、雨の中を黒いドレスで黒い傘を差して歩く通行人がいるのですが、よく見ると新2期生の6人が演じています。

アリーナの地面が緑の蔦で徐々に生い茂り、「16.もう森へ帰ろうか?」(センター:上村莉菜)が始まります。1番サビの、森田ひかるの狂気に満ちた目は相変わらずの迫力で見所なのですが、今回の一番の見所は、ラスサビでセンターのうえむーが宙に浮かんでいく演出です。高いところはおそらく苦手であろううえむーがワイヤーに吊るされて浮かび、この曲の世界観に溶け込んでいて感動しました。

小林由依の卒業式。BGMは「渋谷川(ピアノver.)」。ゆいぽんは初期からフロントをつとめるなど中心的な存在。ゆいちゃんずで見せた華麗な歌声や、ブログや番組で見せる独特な感性を持つワードセンス。そして何より強い芯を持った子です。彼女の存在はこれからのグループのさらなる飛躍の一助と必ずなります。

ゆいぽんを中心に藤吉夏鈴やゆっかーなどのメンバーが寄り添うように目を閉じています。安らかな顔をしている子もいれば、小池美波の両頬には伝うものがあります。「17.黒い羊」(センター:小林由依)。黒い羊のパフォーマンス衣装である緑色のコートに着替えており、新2期生含む27人全員でパフォーマンスします。前回のイオンカードライブや正月のCDTVでは森田ひかるがセンターをつとめていましたが、”最後”という部分で何か演出の意図があったのかもしれません。それを裏付けるように、2番の「全部僕のせいだ」は今までの中で最も弱々しく、消えてしまいそうな声で絞り出しました。この曲の最後は主人公の”僕”がひとり彼岸花とともに何かを背負って、メンバーたちとは反対方向に歩いて行くのですが、今回の主人公は最後に迎えに来た理佐の手を取り、みんなと同じ方向へ歩いて消えていくという新たな演出が見られました。その日のラジオ「レコメン」でゲストのアンゴラ村長も言っていましたが、何か救われたような感覚になりました。

ここで初日の本編は終わり、会場はプロジェクションマッピングで彼岸花が咲き乱れ、スタッフロールが流れます。それから10分ほどすると会員チケット購入者限定のアフターライブ配信が始まります。新2期生から順番に一人ずつ出てきて、我々ファンに向けて挨拶をします。大園玲「明日以降も欅坂46が大好きです」と言っていました。関有美子は何かを隠すように笑顔で話し始めたのですが、「生まれ変わってもこのグループに入りたいです」という頃には涙で感情が溢れてしまいました。続いての武元唯衣(ちゅけもん)も涙を流していました。それもそのはず、ちゅけもんは欅に入る前から、翌日で卒業するしーちゃんのファンだったんです。「大好きな佐藤さんとのラストステージを全力で楽しみたいです」と話してくれました。藤吉夏鈴は口下手な性格もあり、言葉少なく「これからも欅坂46の楽曲が皆さんの強みになりますように」と話しました。はぶちゃんは少し空気を変えて「ハーブさんを今日で引退します」と場を和ませていました。普段口数の少ないぺーちゃんが、「このライブでメンバーとの仲がより深まりました。明日は今日とは違う欅坂をお見せします」と話すと、メンバーから「すごーい!」と拍手をもらっていました。最後の理佐が話し終えると、フリートークの時間が少しあり、ゆっかーが進行します。その中で、「言っていいのかな?」と少しドキッとさせる前置きを置いて、この日誕生日の大沼晶保(あきぽ)を、サプライズでお祝いしました。あきぽは「必要な人になれるように頑張ります」と抱負を語ってくれました。そしてアフターライブの最後は全員の深い一礼で、幕を閉じるのでした。

1日目は静と動の”静”がコンセプトになっていたようですが、欅の楽曲に元々激しさの少ない曲も多くないので、どちらの要素も感じられました。その中で、ライブの定番曲というか、欅の顔とも言える、強くて深い楽曲をメインで披露されました。明るい曲は新曲のカレイドスコープのみで、他の新曲4曲や表題曲6曲を残して2日目を迎えます。初日のライブの約2時間、MCなしのぶっ通しでTHE欅の楽曲の多くを披露してくれました。

初日セットリスト

  • 00.Overture
  • 01.サイレントマジョリティー
  • 02.大人は信じてくれない
  • 03.エキセントリック
  • 04.語るなら未来を・・・
  • 05.月曜日の朝、スカートを切られた
  • 06.Student Dance
  • 07.カレイドスコープ
  • 08.渋谷川
  • 09.I’m out
  • 10.Nobody
  • 11.東京タワーはどこから見える?
  • 12.避雷針
  • 13.不協和音
  • 14.キミガイナイ
  • 15.君をもう探さない
  • 16.もう森へ帰ろうか?
  • 17.黒い羊