彼女たちが紡いできた道、そして創造していく新しい世界。櫻坂46初の展覧会「新せ界」レポート
東京にある六本木ミュージアムにて、櫻坂46初となる展覧会「新せ界」が開催(7/28~10/29)となり、私は始まってすぐの8月と、リニューアル後の10月に足を運びました。
六本木といっても、ミュージアムは閑静な場所に佇んでいます。建物にはゆいぽん、天ちゃん、谷口ちゃんの写真が大きく貼られ、見に来た人をお出迎えしてくれます。
11/1から3日は期間限定で会場の様子をメンバー(ゆいぽん、ほのす、夏鈴ちゃん、てんちゃん)のオーディオコメンタリー付きで見て楽しめる、特別配信も行われました。
目次
「新せ界」体験レポート
受付を済ませて、一瞬「どこ?」ってなる白い幕に塞がれた入り口を通ると真っ暗な空間となり、先程までいた現実世界と断絶されたような感覚になります。
通路を進んですぐ目に入ってきたのは、「鳥居坂46」のロゴ。これはメンバー募集から使われていた名前であり、オーディションも終わりグループの結成発表の場で「欅坂46」に変更となりました。つまりグループの原点ともいえるものであり、ロゴの色も乃木坂46の妹分であることがわかる紫色になっています。
このエリアは櫻坂46になる前の歴史が飾られた場所。「サイレントマジョリティー」から「黒い羊」まで、発売されたシングルのジャケ写を中心に飾られています。櫻坂46を深く知るためには、必ず通る道となります。
次のエリアとの境目にはヒモ状のカーテンで仕切られ、「櫻坂46」に改名が発表された時に使用された、ゆっかーの手が象徴的な映像が投影されています。我々も改名を越えて、次の進路へ進みます。
1章「衣装」~存在を支えるもの~
その先は衣装展示のコーナーがありました。櫻坂46の制服衣装、MV衣装、ライブ衣装などが飾られています。それぞれのコンセプト説明も書かれているなど、より深く魅力を感じることができます。
その衣装ですが、不自然な間隔をとって飾られています。不意に照明が後ろのスペースを照らすのですが、そこに並べてあったのはなんと、欅坂46の歴代衣装!そのギミックに思わず息を呑みました。数々の伝説的なパフォーマンスを残してきた畏怖のような、何か力を残したまま封印されるかのようにショーケースにズラリと並びます。
ここまでは写真撮影可能なエリアだったのですが、憎いのが欅坂46の衣装には短い時間しか照明が当たらないこと。ただそれが、あの衣装たちの神秘さを増していると思うと粋な演出にも感じます。普段、間近で見ることのできない櫻坂の衣装、そしてもう見ることのないと思っていた欅坂の衣装の数々に、感動しながら鑑賞しました。
櫻坂46の衣装はリニューアルのタイミングで一部入れ替えがありました。
2章「映像とダンス」~記憶の残像レイヤー~
第2章、ここからは撮影禁止です。ここでまず目を引くのが縦横に並んだモニターに映る、メンバーのダンスレッスン映像です。そしてそれを囲うようにTAKAHIRO先生の書いた貴重なメモやINFINITYによるデモ映像があります。印象的だったのは、BANのMVにドローンを使用するにあたり、TAKAHIRO先生がスマホを持ってINFINITYが踊る間を縫って撮影した映像。ドローンっぽい動きがめちゃめちゃ上手かったですw
それから先生のメモの中に、「アンコールをもらった」というメモがあり、一見当たり前のように感じてしまう出来事も心に留めて感じてくれているんだなと思いました。
ここからの展示で注意したいのが、所々に現れる桜の木のモニュメント。「五月雨よ」のジャケット写真でも使用されたあの白い木ですが、あれがあったら見逃し厳禁です。最初にあった木にはタブレットが置いてあり、「不協和音」や「太陽は見上げる人を選ばない」など欅坂46時代のダンスレッスン映像が流れています。他にも資料が地面に散らばっているのですが、微妙な距離と暗さではっきりとは読めませんでした。
列を進むと、壁一面にMVの絵コンテや資料が飾られています。貴重な資料の数々に目を通すため、長い列ができます。今回展示されているものの多くは図録にも収録されています。収録されない要素としては、ノバフォの海の壁のパターンが動画で見れること、「五月雨よ」MV 撮影のメイキング映像、「COOL」のキャラクターデザイン画は要チェックです。
私がいちばん衝撃を受けたのは「偶然の答え」のストーリー資料。なんと当初、夏鈴ちゃんの相手役は天ちゃんが想定されていたのです。そのバージョンも観てみたかったのと、変更に至った経緯も知りたいなと思いました。あと最後の車でりことモモと会うシーンも印象が変わります。
リニューアル後は「Start over!」のMV撮影に向けてのコンセプト資料が追加されていました。メンバーひとりひとりにキャラクター像が記されており、ゆいぽんだったら「女優として臨んでほしい」とか、るんちゃんは「陰キャ」など、全員に対して細かな監督の言葉がありました。
3章「アートワーク」~未来への羅針盤~
第3章はジャケット写真の展示です。1stから6th、アルバムについて飾られています。ジャケットひとつひとつへの細かい意図や表現したいことの詳細な説明があるので、家に帰ってもう一度ゆっくりジャケットを見るのも面白そう。ジャケットサイズ(正方形)に切られる前の写真やセンターのソロカットもあります。
フロアを大きく分断するように、真ん中にも展示があり、外は歴代ジャケットのtypeA、中にはアルバムの撮影で撮ったネガ写真が飾られています。会場でも説明が書いてあるのですが、iPhoneの昨日を使って色を反転させるとカラーで見ることができます(撮影は禁止)。備え付けられたiPadで見ることもできます。ちなみに私はAndroid(GALAXY)で、反転機能を試しましたがキレイに色がつきませんでした(泣)
6thシングル「Start over!」は図録に載ってないので会場で目に焼き付けましょう。ジャケットに使用されたナーフについての説明や、櫻坂46の世界進出への大きな野望を抱いたジャケットになっていることが分かります。これからは櫻坂46がどう日本をみせていくか。パリでのライブが実現したのも、成功したのも納得の内容です。
それから見逃しちゃいけないのが、各展示の足元に生えた木のモニュメント。欅坂46のCDとともにジャケットの別案写真が展示されています。これも暗くて見にくいのですが、サイマジョは渋谷の街をバックにしたバージョンがありました。てちの写真も印象が変わります。風に吹かれてもはてちがスーツにギターを提げたバージョンもありました。そしてなにより驚かされたのが、本来9thシングルとして発売される予定だった幻の、「10月のプールに飛び込んだ」のジャケットです。ドキュメンタリー映画でMV 撮影まで進んでいたことは知っていましたが、実物を見ると胸に来るものがあります。ここまでできていたのかと。水色の背景に中央に白文字で手書きのように書かれたタイトル、てちがソロで映ったバージョン。その他はメンバーの確認はできなかったのですが、恐らく当初の選抜メンバーだと思います(1期生2期生全員いる感じではなかったです)。
この欅坂46関係の展示も図録にはないので必見です。
リニューアル後は「承認欲求」のジャケット中面にあるメンバーの名前の所が飾られていました。情報解禁前から掲示されていたとでしょうか。だとしたらその時点で見た人はさぞ驚いたとこでしょう。
4章「彼女らの痕跡」~存在と不在の狭間~&5章「大樹」
第4章、第5章は並んで展示されています。まずは天ちゃんが「思ったよりも寂しくない」のMVで使用したカメラの展示と、撮った映像を見ることができます。テレビは三台置かれていて、あとの二台は先日のパリで撮られた映像です(それぞれ別の映像)。街を歩いたり、ピザにかじりついたり、素のメンバーが映っています。あとは「流れ弾」で使用された巨大絵画の展示、そして五月雨よの木のモニュメント本体。こちらにも幹にタブレットが設置されており、サイマジョのMV撮影や結成発表当時の映像が流れています。第五章の説明にもあったのですが、今までの欅坂46の展示の仕方は、その養分を吸い上げて今の成長、活躍に櫻坂46が繋げていることを現しているとのことでした。それを見て府に落ちた気がしました。
天井から幕が下がり、写真が飾られているのですが、これも夏鈴ちゃんのセッティングでしたっけ?その他、スペースの一画に夏鈴ちゃんがセレクト(撮影?)した写真も飾られています。
リニューアル後は夏鈴ちゃんのレイアウトした写真展示が増えていました。三期生を含めたメンバーのオフショットがびっしりと貼られていました。夏鈴ちゃん自身の写真が裏側になっているものについては遊び心?恥ずかしい?
映像に関してはマレーシアの映像とか増えるのかと思いましたが特に変更はありませんでした。
6章「ヴィジョン」~言葉の光~
第6章は真っ白で幻想的な部屋になっています。そこには天井から吊るされた言葉たちが展示されていて、メンバーひとりひとりのビジョンが紹介されています。ここは撮影可能のようですが、図録にも載っているので内容を全部覚える必要はありません。その中でも印象的だったのは夏鈴ちゃんの離島でライブがしたい、と村井ちゃんのいつかセンターにの言葉です。るんちゃんの言葉もですね。三期生を含めた全員の胸に秘めた夢や希望、あるいは野望。全て受け止めて、これからも応援したいという想いが強くなりました。
7章「新せ界」
メンバーたちの言葉が書かれた幕を越えていくと、見えてくるのは新せ界。白い壁に「新 界」という言葉がメンバー分あり、8月月初の時点では夏鈴ちゃん、ほのちゃん、天ちゃんそれぞれの「せ」が書き込まれていました。2回目に行った時点では、えんぴかとみぃちゃん以外の「せ」が追加されていました。(タッチの差でえんぴか来場)夏鈴ちゃんのもコメントが増えていました。その後みぃちゃんも訪れてこの部屋、いや展覧会が完成したので、それも見てみたかったです。
展示はここまでで、この先はグッズ売場になります。飛ぶように売れているグッズですが、私が行ったのは補充された後のタイミングなので売り切れはありませんでした。すべて見本が飾られているので、実物を見ながら購入を吟味することができます。そのうえでめちゃくちゃ悩みます。悩んだ末に今回購入してきたグッズを紹介します。
2回目はキーホルダーを2個、ボールペンの色違いを購入しました。翌日から販売開始されたスタオバグッズも見たかったですね。
グッズ売場を抜けると正面に坂道カフェがあります。並んでいたのでこの日は断念したのですが、2回目はカフェにも行きました。食べ物は新せ界ハンバーガーにしました。桜ピンクの可愛いバンズに、むしろハンバーグという分厚さのパティからは肉汁が溢れます。ピンク色のポテトサラダも美味しかったです。細身でカリカリのポテトと、備え付けのピクルスが想像以上に美味しかったです。ほんとに野菜の形で、程よい甘酸っぱさ。極めつけは夏鈴ちゃんがデザインしたフラッグですね。デビュー日が書かれているのですが、それ以外はちょっと意味がわからず。ほんとはドリンクメニューも買いたかったのですが、この後CDの発売を控えていたので自粛。
欅坂46/櫻坂46初の展示会でしたが、良さが詰まっていたと思います。そもそも欅坂46の展示はあまり大きな期待をしてはいけないと思っていたので、その数の多さと貴重な展示の数々に驚きました。櫻坂46を知るためには、それだけ欠かせない存在であるという事を改めて認識しました。(誰が鳥居坂46のロゴ展示を予想できましたかと)そしてその養分を吸い上げて、また新たな世界を創り始めた櫻坂46の魅力も増しました。楽曲やMVはもちろん、ジャケットに至るまで細かなコンセプトに込められた製作陣の熱量が伝わりました。こういう機会がないと表には出ない資料だと思いますが、作品をより深く知れてより深く愛せると思うので、今後もこういう機会を作ってほしいです。
長いようであっという間に終わってしまった展覧会でしたが、朗報もありましたね。メンバーのオーディオコメンタリー付きで展示の様子が見れるということで、見たくても見れなかった人はもちろん、見に行った人も新たな発見に出会えるかもしれません。もしかしたら「そんなのあったの?」もあるかも。
これからの櫻坂46の創る新せ界を見るのが、改めて楽しみになりました。
おまけ
せっかくここまで来たのですから、聖地巡礼もしていきましょう。ミュージアムを出て右側(麻布十番方面)に行くと鳥居坂があります。急勾配の坂道になっています。鳥居坂46のままだったら、また全然違うグループになっていたかもしれませんね。
坂を下ったら信号を渡り、右に進みます。そうすると大きな交差点があり、左手側、蔦屋書店とテレビ朝日の間から上る坂道、六本木けやき坂です。超オシャレなブティックが並び、冬のイルミネーションも有名ですね。
そのまま坂を上った先、そこ曲がったら櫻坂!大きな青い看板が目印です。坂道はマンションや公園があり、けやき坂と違って静かな雰囲気です。
麻布十番駅近くには、「条件反射で泣けてくる」の歌詞に出てくるたい焼き屋さん「浪花屋」があるのですが、全然知らなかったです。行きたかったな。泣けてくる。
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